音楽に限らず、絵画でも文学でもそれが「芸術」と呼ばれるようになるその境界線をを決めるのは非常に難しい。大前提として「芸術」というものの定義を確定させないといけないが、それは手持ちの辞書に任せるとして、自分なりの考え方を整理してみたい。私は哲学者じゃないから、具体的な例を考えていく。絵画を考えるのが一番わかりやすい。前にも書いたが、古い絵画では抽象画など存在せず、先ずは対象があり、それを絵画にしている。古くは野生動物の壁画であったり、キリスト教の聖書のお話を絵画にしたものだったり、パトロンである貴族の肖像画であったりする。ではそれらのものが全て芸術と呼べるものであるのかというと、もちろんそんなことはなく、「芸術品」と呼ばれるようになるのはごくごく一部。大多数のものは、こう言っては失礼にあたるんだけど、単なる絵なんだな。逆に言うと、見も知らない異国の貴族の肖像画として描かれているんだけど、なんだかわからないが、うわー!と思ったり、なんだこれは!と感じたり、ドキドキしたり、目を見開いてしまったり、そういうことが起こってしまうのが芸術と言えるのだと思う。ひとむかしも前になるが、岡本太郎が「芸術は爆発だ!」とさかんに叫んでいた。マスコミやTVは面白がってこれを良く取り上げていたが、あれはまさに真実なんだなと、私などでも最近になってつくづく感じる。