いったいなんだったのだろう。 聞いたところによると、あれはモネの絶筆。確かに完成はしておらず、それこそ余白の部分が大半だった。晩年モネは目が不自由になり、色合わせも自分でできなくなり、弟子に口頭で指示し、色合わせを行い、それでも自ら筆を取って描いたのだという。しかし、とうとう完成はできずに終わってしまった。しかし、あんな状態で完成まで描き続けることができたんだろうか。どう考えても、いや、どう見ても完成など不可能に思える。いやいや、こういう発想こそがシロートの、それこそ下衆の勘繰りというやつに違いない。本人は、芸術家たるそのエネルギーの発散において、どうしようもない衝動をもって描いたに違いない。印象派と我々がイメージするものとは真逆とも言うべき荒々しい筆のタッチ。そしてそのエネルギー。猛烈な勢いで噴き出し飛び掛かってくるような色彩。目がおかしくなってしまうほどのめくるめく光。